紙カルテから電子カルテへの移行

紙カルテから電子カルテへの移行

紙カルテから電子カルテへの移行

1. 紙カルテから電子カルテへの移行事例

 今回は、お問い合わせやご相談の多い電子カルテ導入の事例を紹介します。

平成29 年度の厚生省の発表によると一般病院では46.7%の普及率となった電子カルテですが、

そもそも新規開業の診療機関様で導入される場合はそれほどトラブルもなくスムーズです。

しかしながら、今まで紙カルテで運用してきた診療機関様にとっては、

導入の準備や移行期間は大きな壁と感じられるのではないでしょうか。

 今回ご紹介する事例は、紙カルテから電子カルテへの移行の一例です。

2、紙カルテから電子カルテ移行が決まった時の現場の混乱

 大阪府内のとある総合病院様では、電子カルテの導入が決定し、

医局・病棟・臨床現場、それぞれの場所で、

運用方法の確認や打ち合わせが通常の業務に追加されました。

 通常の業務に加えて追加された内容は、

今までのルーティンでこなした作業を変容させるものであり、

また、誰しもが新システムを経験しているわけではない為、調整は思うように捗りません。

その時に持ち上がった、移行に伴う問題点を先に5つあげます。

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電子カルテ移行時に持ち上がった問題点

⑴「患者さんの過去病歴の取り扱い」をどうするか

⑵ 過去の膨大な紙カルテをどう扱うのか?

⑶ 紙のカルテを、いつまで保管するのか?

⑷ ドクターからの紙カルテの検索には、いつまで対応するのか?

⑸ そもそも保管スペースが有効に活用されないままにしておくのか?

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 とりわけ、他の診療機関様でも必ず挙げられる問題の一つとなる

『 ⑴「患者さんの過去病歴の取り扱い」をどうするか 』

に苦慮されておりました。

 当面は紙と電子の両建てで運用する、つまり、

今まで通りに紙カルテは閲覧しつつ、

電子カルテ側に新規の情報を入力していくことにしたのですが、

実はこれが医療スタッフの大きな負担になっていきました。

3、電子カルテのメリット

 本来の電子カルテのメリットとは、

「医療安全の推進を含む医療の質の向上や効率化、患者への情報提供、医療機関内外の連携の促進等」(*1)です。

これを生かす前に、一時的とはいえ、

疲弊による医療スタッフの業務効率の大きな低下という、

本末転倒な状況が発生したのです。

 電子カルテの利用によってデータが瞬時に出てきて、情報を共有化というメリットも、

業務を効率化するというメリットも、

享受できるのは最低でもカルテ保管期限がある5年後から、ということになります。

しかも、カルテの保存スペースはそのままに、

病院評価基準にも達することができずといったデメリットのオマケまでつくことになりました。

 そこで様々な方法を模索されている中で、

過去の紙カルテを電子化して、さらに現在の電子カルテと一緒に利用することはできないか

と弊社にご相談いただきました。

(*1)標準的電子カルテ推進委員会報告書から抜粋

4、NIS の視点と提案

 移行に伴う5つの問題点は、NIS の診療記録電子化サービスで一気に解決できます。

そこで、現場を訪問し実際のカルテ保管状態と運用方法などをヒアリングしました。

カルテの量カルテの保存状態カルテの動的状況の確認を行います。

今回依頼いただいた総合病院様では、

<カルテ保管の現場ではターミナルデジット方式で管理運用がされており、検索依頼は毎日20件以上>

 補足ですが、ターミナルデジット方式の管理は病院評価で求められている方法である

「1患者1カルテ」に準拠しており、

一人の患者様の診療録が複数の場所に分散保管されず集中的に管理されているということで評価されます。

しかしその反面、最終診察年度で物理的に管理されていないのでいざ廃棄となると、

1件毎に目視等で退院年月日をチェックして分別しないといけなくなります。

簡単に言いますと、廃棄の時、カルテを1 冊づつ広げて、

廃棄する年度の部分を抜き出さないといけないのです。

総合病院のカルテの総数は相当なものですから、その作業だけでも結構手間がかかります。

しかも、廃棄年度は毎年更新されます。

 今後発生する廃棄のことも踏まえた上で、過去の紙カルテの電子化と、

新規電子カルテの処理方法および、その連動についてを提案をさせて頂きました。

5、NIS の独自のサービス

NIS では医療スタッフの方の仕事の軽減にも努めております。

そのため、長年の経験を生かして病院経営にできるだけ負荷をかけない方法を確立しております。

  1. 事前に電子カルテベンダーと直接打ち合わせを行い、院内で最も効率的な電子カルテとの連動を模索します。
  2. 病院外から弊社工場へ運び出す際には患者ID順で運び出し作業をし、カルテの所在を明確にします。
  3. お預かりしたカルテが現場で必要になった場合はどうするか、現在の院内システムにそった個別の対応をとっております。

特に③はセキュリティの関係上詳しい説明は省かせて頂きますが、多くの病院様で好評です。

6、NIS の電子カルテ移行サービスによる、移行業務の軽減

 納品後にドクターとお話しする機会があり、移行期間中について

カルテが院外にあるとは知らなかった。いつも通りカルテ検索依頼していたのと同じ感覚だった」

とおっしゃっていただきました。

もっとも大事な現場で手を煩わせないことに成功したとも取れる言葉に、

小躍りしたくなるのをグッと堪え、心の中でガッツポーズを取りました。

 弊社では単に紙カルテをスキャンして納品して完了というスタンスではなく

過去データをどのように電子化すれば効率的な医療行為に役立てるかを念頭において

計画を進めております。

診療機関様が日常業務を妨げることなく安心してご満足いただけるサービスを提供いたします。

 NIS電子カルテが登場する以前から、公立病院様、大学病院様、一般病院様、社会福祉法人様の紙カルテの電子化を長年取り扱っておりました。

そのため重要データ電子化と運用のプロとしてのノウハウが多くあります。

お気軽にご相談ください。

お見積もり、ご相談は無料です

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